IGESファイルの構造
MicroStationでは、各行80文字の固定長ASCIIのIGESファイルをインポートまたはエクスポートすることができます。
各IGESファイルには5つのセクションがあり、それぞれ各行の73列目の文字(S、G、D、P、T)で識別されます。
スタートセクション
ここには、human-readable(コンピュータでなく人間が読めるという意味)なコメントが入ります。
既定では、エクスポートされたIGESファイルのスタートセクションには"This file was produced by MicroStation"というメッセージが入っています。
必要に応じて、「スタートセクションファイル」ダイアログボックス(「IGESファイルをエクスポート」ダイアログボックスで の順に選択)を使用してテキストファイルを指定することができます。たとえば、テキストファイルに送信先の会社宛ての注記に関する情報が入っているとします。このテキストファイルを指定すると、文字は標準のIGESレコードフォーマットに再フォーマットされます。
グローバルデータセクション
受信アプリケーションが必要とする情報(送信アプリケーション、作成者、会社名、製図規格、単位系、IGESのバージョンなど)が入ります。この情報の一部は、「IGESファイルをエクスポート」ダイアログボックスで指定します。
ディレクトリエントリセクション
IGESファイルのインデックスとして機能します。1つのエンティティにディレクトリエントリが1つあります。ディレクトリエントリには、2行連続した8文字ずつの右揃えフィールドが20個あり、ここにすべてのタイプのエンティティに適した情報が保存されます。重要なフィールドには次のようなものがあります。
パラメータデータセクション
各タイプのエンティティに固有の幾何情報が入ります。幾何情報には、行エンティティの端点や円エンティティの中心と半径、一般文字列エンティティの文字が含まれます。パラメータデータエントリの長さは、要素タイプによって異なります。
サンプルDGNファイルとエクスポートされたIGESファイル
以下に、サンプルのDGNファイル"output.dgn"とエクスポートされたIGESファイル"output.igs"を示します。DGNファイルには既定の設定値が入っています。ただし、「IGESファイルをエクスポート」ダイアログボックスで指定したグローバルデータは除きます。
上の画像のセクションは次のとおりです。
- スタートセクションファイルが指定されていないため、スタートセクション"S"には既定のメッセージが入っています。
- グローバルデータセクション"G"には、送信アプリケーションの名前(MicroStation)、作成者、会社名など、受信アプリケーションが必要とする情報が入っています。
- ディレクトリエントリセクション"D"には、フィールド1と11のエンティティ番号(それぞれ線の110と一般文字列の212)、各エンティティのパラメータデータセクション"P"で対応する線を指すフィールド2のポインタ、ラベルを作成したMicroStationの要素タイプがIGESエクスポートプログラムによって入力されたフィールド18のラベル("LINE"と"TEXT"))が入っています。
- パラメータデータセクション"P"には、エンティティタイプに固有の情報が入っています。
- 終了セクション"T"には、必ずIGESファイルの最後の行が入ります。