TR.22.1 メンバーリリースの設定
このコマンドのセットは、フレームメンバー端部の特定の自由度を完全にリリースするために使用可能です。また、メンバー端部がばねを通して特定の自由度に関してジョイントに接合される接続モードを規定するために使用されます。
一般的な書式
MEMBER RELEASES
member-list {START | END | BOTH } { *{ FX | FY | FZ | MX | MY | MZ } | *{KFX f1 | KFY f2 | KFZ f3 | KMX f4 | KMY f5 | KMZ f6 } | {MP f7 | *{ MPX f8 | MPY f9 | MPZ f10 }} }
指定項目:
Parameter | 説明 |
---|---|
FX … MZ | メンバーローカル軸における力xからモーメントzまでの自由度を表しています。 |
KFX f1 … KMZ f6 | それらの自由度に対するばね定数を現単位で表しています。 |
MP f7 | 全3モーメントに対するリリース係数。 |
MPX f8、MPY f9、MPZ f10 | 各モーメント個々のリリース係数。モーメントに関する剛性係数は、特定の端部において係数(1 - fn)が掛けられます。リリース係数は、0.001~0.999の範囲にある必要があります。 |
注記
- メンバーのリリースは、デフォルト条件、すなわち、モーメントと力に対して完全に抵抗する条件が適用されない場合に、メンバーの端部条件のタイプを規定する方法です。例は、ボルト結合、またはリベット結合です。部分モーメントのリリースは、ジョイントの曲げとねじりのモーメント耐力を、全曲げ強度とねじり強度の割合として設定する方法です。
- 係数f1が、回転の自由度MX、MY、およびMZに対応する剛性の低減を示していることに注意することは重要です。言い換えると、メンバーのモーメントが係数f1によって低減されることを期待すべきではありません。希望するモーメントの低減の得られる正しいf1の値を得るために、2、3回の試行が必要かもしれません。
- STARTとENDは、MEMBER INCIDENCEの設定に基づいています。BOTH設定は、両端にリリースを適用します。
- 任意のメンバー端部のどの自由度に対しても、完全リリース、部分リリース、およびばねリリースを同時には設定できません。3つのうちの1つのみが許容されます。
- MY(またはMZ)が両端において完全にリリースされると、VZ(またはVY)を、メンバーを通して伝達することができません。メンバーの最終的なせん断は、メンバーに直接作用する荷重に起因します。
例
MEMBER RELEASE 1 3 TO 9 11 12 START KFX 1000.0 MY MZ 1 10 11 13 TO 18 END MZ KMX 200.0
この例では、メンバー1、メンバー3~9、メンバー11と12に対して、ローカルY軸とZ軸についてのモーメントは、開始ジョイントにおいて解放されます(MEMBER INCIDENCESにおいて設定されるように)。さらに、これらのメンバーは、剛性が力/長さ単位で1000.0のばねにより、ローカルx軸に沿って始点ジョイントに接続します。メンバー1、10、11、およびメンバー13~18に対しては、ローカルZ軸についてのモーメントは、終点ジョイントにおいて解放されます。また、これらのメンバーは、剛性が力/長さ単位で200.0のばねにより、ローカルx軸に沿って終点ジョイントに接続します。メンバー1と11は、始点ジョイント、終点ジョイントの両方において解放されますが、必ずしも同じ自由度ではありません。