TR.27.4 マルチリニアスプリングサポートの設定
地盤がばねサポートとしてモデル化される場合、引張における挙動が圧縮における挙動と異なるときのように、外荷重に対して変化するばねサポートの抵抗は、この機能を用いてモデル化されます。
一般的な書式
MULTILINEAR SPRINGS
joint-list SPRINGS d1 s1 d2 s2 … dn sn
指定項目:
- ここに、di siの組は、変位とばね定数の組(siは、0以上)を表していて、負の最大変位から始まり正の最大変位までです。
第1の組は、負の無限大変位から第2の組で定義される変位に対応するばね定数を定義します。第2の組は、第2の組で定義される変位から第3の組で定義される変位までの範囲をサポートが変位するときのばね定数を定義します。変位とばね定数の各組に対してこれを続け、最後の組ではその組の変位よりも大きな変位から正の無限大までの変位に対するばね定数を定義します。
マルチリニア解析における各荷重ケースは、CHANGEコマンドにより分離され、各荷重ケースがPERFORM ANALYSISコマンドを持つ必要があります。PDELTA、NONLIN、動的解析、CABLE、またはTENSION/COMPRESSION解析を含むことはできません。マルチリニアスプリングコマンドは、反復解析と収束チェックのサイクルを開始します。サイクルは、使用される有効なばねの変化率の二乗平均平方根(RMS)が、実質的に2つの連続するサイクルで同じとなるまで継続します。
例
UNIT … SUPPORT 1 PINNED; 2 4 FIXED BUT KFY 40.0 MULTILINEAR SPRINGS 2 4 SPRINGS -1 40.0 -0.50 50.0 0.5 65.0
地盤の荷重-変位特性は、マルチリニア曲線により表現されます。この曲線の大きさは、異なる変位における地盤のばね特性を表します。地盤の典型的なばね特性は、次の図に示されるステップ曲線により表されます。上記の例では、マルチリニアばねコマンドは、ジョイント2と4の地盤ばねを設定します(ステップ曲線の大きさは、第1の点の後も変化しないことに注意してください)。
注記
- サポートばねは、ここで入力される各ばねに対して、事前に入力される必要があります。第1のサイクルに対しては、使用されるばねの値は、サポートばねの値(ここではゼロ変位の値ではない)が使用されます。現実的で安定した値を使用してください。
- SUPPORTコマンドにおいて初期ばね剛性によって定義されたすべての方向は、この1つの曲線を持つマルチリニア曲線になります。
- このコマンドは、最後にハイフンを付けることによって11行まで続けることが可能です。セミコロンとXRANGE、YRANGE、ZRANGEリストの項目は、使用できません。
- このコマンドは、2つの変位の小さい方とばね定数からなる組を必要とします。
-
マルチリニアスプリングは、次に該当する場合は使用しないでください。
- モード動的解析
- 座屈解析
- 不整解析
- PDELTA解析
- NONLINEAR解析
- アドバンスドケーブル解析
- Direct解析
- 張力/圧縮のメンバーやサポートを含むモデル
- 傾斜サポートを含むモデル