TR.31.2.5中国のGB50011-2001による静的地震荷重
一般的な書式
次の一般的な書式が、特定の方向に荷重を生成するために使用されます。
DEFINE GB50011 2001 (ACCIDENTAL) LOAD
INTENSITY s1 { FREQUENT | RARE } GROUP i1 SCLASS i2 (DAMP f1) GFACTOR { 0.85 | 1.0 } (DELN f2) (SF f3) (PX f4) (PZ f5)
指定項目:
GB50011の地震荷重の生成
任意の荷重ケースに荷重を適用するには、次のコマンドを使用します。
LOAD CASE i
GB LOAD { X | Y | Z } (f6) (ACC f7)
指定項目:
Parameter | 説明 |
---|---|
LOAD i | 荷重ケース番号 |
GB LOAD { X | Y | Z } f6 | 水平地震荷重に乗算するオプションの係数。 |
ACC f7 | 想定外ねじりの拡大係数であり、想定外ねじり荷重に掛けられます(デフォルト=1.0)。負の値を指定できます(負でない場合は、生成される横荷重の方向に基づいて、MYのデフォルトの符号が使用されます)。 |
- トピック「TR.32.12.2 地震荷重の生成」に従って地震荷重を定義している場合、現在は不測のねじりACCのみがサポートされ、DECはサポートされていません。
- ACCIDENTALオプションが設定されると、GB 50011-2001仕様に従って不測のねじりが計算されます。不測のねじりの値は、各レベルの"質量中心"に基づきます。"質量中心"は、ユーザーが設定する自重、ジョイント重量、およびメンバー重量により計算されます。
- 地震荷重ジェネレータを使用して、Y upに対してはXおよびZ方向、Z upに対してはXおよびY方向の横荷重を生成できます。ここで、Y upまたはZ upは、重力荷重の方向に平行な垂直軸です(「TR.5 SETコマンドの設定」のSET Z UPコマンドを参照)。
- 基礎上の床のすべての垂直座標は正である必要があり、垂直軸は床に垂直である必要があります。
- この方法を使用した地震荷重の生成は、せん断変形が支配的で、かつ質量と剛性の分布が高さ方向に一様な40m以下の建物に制限されます。また、一質点系としてモデル化される建物の場合は、この基本せん断法などの簡略化された方法を使用できます。
設計用重力荷重
地震動の計算において、建物の重力荷重の代表値は、構造物と部材の重量特性値に構造物上の変動荷重の組み合わせ値を加えたものの合計とみなされます。異なる変動荷重の組み合わせ係数は、次の表のものを使用します。
変動荷重のタイプ | 荷重組み合わせ係数 | |
---|---|---|
雪荷重 | 0.5 | |
屋根上ダスト荷重 | 0.5 | |
屋根上活荷重 | 対象外 | |
実状に従って計算される床上活荷重 | 1.0 | |
等価な一様状態として計算される床上活荷重 | 書庫、ファイル保管庫 | 0.8 |
その他の民間建物 | 0.5 | |
クレーン吊下げ物体の自重 | ハードフック | 0.3 |
ソフトフック | 対象外 |
地震影響係数
これは、震度、サイトクラス、設計地震グループ、および構造の固有周期と減衰比に基づいて、建物構造物に対して決定されます。水平方向地震影響係数の最大値は、表2.2のとおりです。また、特性周期は、サイトクラスと設計地震グループに従って表2.3のとおりとし、震度が8と9の稀な地震では0.05s増加します。
地震影響係数 | 震度6 | 震度7 | 震度8 | 震度9 |
---|---|---|---|---|
発生頻度の高い地震 | 0.04 | 0.08 (0.12) | 0.16(0.24) | 0.32 |
稀に発生する地震 | - | 0.50(0.72) | 0.90(1.20) | 1.40 |
地震グループ | サイトクラス | |||
---|---|---|---|---|
I | II | III | IV | |
1 | 0.25 | 0.35 | 0.45 | 0.65 |
2 | 0.30 | 0.40 | 0.55 | 0.75 |
3 | 0.35 | 0.45 | 0.65 | 0.90 |
地震影響係数の計算
設計用ベースせん断は、次の方程式に従って計算されます。
建物の地震影響係数曲線(図2.1)上の減衰の調整と形状のパラメータは、以下の要求に従う必要があります。
-
建築構造物の減衰比は、特に規定のない限り0.05を選択し、地震影響係数曲線の減衰調整係数は1.0を選択して、形状係数は以下の規定に従います。
- 周期(T)が0.1s未満の線形増加区域
- 周期が0.から特性周期までと考えられる水平区域は、最大値(αmax)を選択します。
- 周期が特性周期からその5倍までと考えられる曲線減少区域では、指数(γ)は0.9を選択します。
- 周期が特性周期の5倍から6秒までと考えられる線形減少区域では、傾斜調整係数(η1)は0.02を選択します。
地震影響係数曲線
-
建物の減衰の調整と地震影響係数曲線の形状パラメータは、以下の要求に従う必要があります。
-
曲線減少区域の指数は、次の式E2.1に従って決定されます。
意味E2.1 - γ
= - 曲線減少区域の指数
- ξ
= - 減衰比
-
線形減少区域の傾斜の調整係数は、次の式から決定されます。
意味E2.2 - η1
= - 線形減少区域の傾斜の調整係数。0未満は0とする。
-
減衰調整係数は次の式に従って決定されます。
意味E2.3 - η2
= - 減衰調整係数。0.55より小さい場合は0.55とする。
-
水平地震作用の計算
水平地震作用の特性値
ベースせん断法が使用される場合、各層において1自由度のみが考慮され、構造の水平地震作用の特性は、次の式によって決まります。
E2.4 |
E2.5 |
E2.6 |
水平地震作用の計算
= | ||
= | ||
= | ||
= | ||
= | ||
= | ||
= | ||
= |
Tg (s) | T1 > 1.4Tg | T1 ≤ 1.4Tg |
Tg ≤ 0.35 | 0.08T1 + 0.07 | 0 |
0.35 < Tg ≤ 0.55 | 0.08T1 + 0.01 | |
Tg > 0.55 | 0.08T1 − 0.02 |
水平地震せん断力の検証
構造の各床レベルにおける水平地震せん断力は、次の式の要求に従います。
E2.7 |
= | ||
= | ||
= |
注記
- 斜め方向の横力抵抗メンバーを持ち、直交主軸に対する角度が150を超える構造では、それぞれの横力抵抗メンバー方向の水平地震作用を考慮します。そのため、設計力として斜めメンバーの作用をこの係数で割り増すことによって、このことが考慮されます。
-
偏心度:UBCコードと同様です。各床上の重心の偏心値は、ei = ±0.05Li,
意味- ei
= - i番目の床の重心の偏心値。
- Li
= - 計算された建物の層の最大幅。
- 質量と剛性の分布が明らかに非対称である構造では、直交水平2方向の両方の地震作用によって生じるねじりの効果を考慮する必要があります。他の構造では、地震効果法を調整するといった簡略化された方法によって地震のねじり効果を考慮することが許容されます。
例
STAAD SPACE
START JOB INFORMATION
ENGINEER DATE 12-Oct-09
END JOB INFORMATION
INPUT WIDTH 79
UNIT METER KN
JOINT COORDINATES
1 0 0 0; 2 0 9 0; 3 0 3 0; 4 0 6 0;
MEMBER INCIDENCES
1 1 3; 2 3 4; 3 4 2;
DEFINE MATERIAL START
ISOTROPIC STEEL
E 2.05e+008
POISSON 0.3
DENSITY 76.8195
ALPHA 1.2e-005
DAMP 0.03
END DEFINE MATERIAL
MEMBER PROPERTY CHINESE
1 TO 3 TABLE ST HW400X400
CONSTANTS
MATERIAL STEEL ALL
SUPPORTS
1 FIXED
DEFINE GB50011 2001 LOAD
INTENSITY 7 FREQUENT GROUP 2 SCLASS 3 DAMP 0.06 AV 0.03 PX 1.5 PZ 0.6
SELFWEIGHT 1
JOINT WEIGHT
2 TO 4 WEIGHT 10
LOAD 1
GB50011 LOAD X 1
PERFORM ANALYSIS PRINT LOAD DATA
PRINT ANALYSIS RESULTS
PRINT SUPPORT REACTION LIST 1
PRINT JOINT DISPLACEMENTS LIST 1 TO 4
PERFORM ANALYSIS PRINT STATICS CHECK
FINISH