TR.32.4.3 床荷重の設定
荷重の2方向分配を仮定して、閉じたループを定義するはりに圧力荷重を分配するために使用されます。
一般的な書式
FLOOR LOAD (SAVE { LOAD })
YRANGE f1 f2 FLOAD f3 (XRA f4 f5 ZRA f6 f7) { GX | GY | GZ } (PRINT {MEMBER | LOAD})
または
XRANGE f1 f2 FLOAD f3 (YRA f4 f5 ZRA f6 f7) { GX | GY | GZ } (PRINT {MEMBER | LOAD})
または
ZRANGE f1 f2 FLOAD f3 (XRA f4 f5 YRA f6 f7) { GX | GY | GZ } (PRINT {MEMBER | LOAD})
または
_FloorGroupNameFLOAD f3 { GX | GY | GZ } (INCLINED) }
指定項目:
Parameter | 説明 |
---|---|
f1 f2 | Y、X、Zの領域を設定する全体座標値。荷重は、初めに設定された全体座標領域内の全体平面にあるすべてのメンバーに対して計算されます。 |
f3 | 荷重値(重量/長さの2乗の単位)。 全体方向が省略されると、この荷重は、コマンドがYRAより始まり、X-Z平面に作用する場合は、正の全体Yに平行に作用します。 同様に、XRAより始まるコマンドに対しては、荷重は、正の全体Xに平行に作用し、Y-Z平面に投影された面積に基づきます。 同様に、ZRAより始まるコマンドに対しては、荷重は、正の全体Zに平行に作用し、X-Y平面に投影された面積に基づきます。 |
f4-f7 | 床荷重(f3)が作用する領域の隅点を定義する全体座標の値。 設定されない場合は、床荷重は、初めに設定された全体座標領域内にあるすべてのメンバーに対して計算されます。 |
GX,GY,GZ | 全体方向が含まれる場合、荷重は、全体座標が省略されたように、ある面に投影された面積に基づく荷重の大きさで、設定された方向に作用するようリダイレクトされます。 全体方向オプションは、特に質量定義に有用です。 |
FloorGroupName | FLOORGROUPを作成する手順については、「TR.16.1 グループ設定によるエンティティのリスト 」を参照してください。この名称に含まれるメンバーリストは、床圧より生じる荷重を受ける候補になります。 |
INCLINED - 全体XY、YZ、またはZX平面に対して傾斜したパネルを形成するメンバーの組にFLOOR LOADを適用するときは、このオプションを使用する必要があります。
PRINT - このオプションは、床パネル情報のプリントアウトが必要な場合に使用します。識別されたパネルの合計数、すべてのパネルの合計面積、および生成される合計荷重が出力ファイルに出力されます。
PRINT MEMBER - このオプションは、荷重が生成されるパネルメンバーの数と識別されたパネルの合計数、すべてのパネルの合計面積、および生成される合計荷重を出力する場合に使用します。
PRINT LOAD - このオプションは、パネルの荷重情報を出力する場合に使用します。PRINT MEMBERで提供される他の情報も、すべて出力ファイルに出力されます。
SAVE - このオプションを使用すると、(filename) _FLD.TXTという名前の外部テキストファイルでパネル情報が提供されます。このファイルには、PRINT MEMBERに対応する情報が出力されます。
SAVE LOAD - このオプションを使用すると、(filename) _FLD.TXTという名前の外部テキストファイルでパネル情報が提供されます。このファイルには、PRINT LOADに対応する情報が出力されます。
注記
- 構造物は、特定の全体軸が床面に垂直を維持するようにモデル化される必要があります。
- FLOOR LOAD設定に対しては、荷重の2方向の分配が考慮されます。ONEWAYおよびAREA LOADの設定に対しては、1方向の作用が考慮されます。ONE WAY荷重に対しては、プログラムは、荷重生成の目的で、パネル内の短辺方向を見つけようとします。そのため、パネルが正方形の場合、それらのパネルに対して荷重は生成されません。そのようなパネルに対しては、FLOOR LOADタイプを使用してください。
-
スラブからのFLOOR LOADは、図に示すように、辺長に従って台形と三角形の荷重として隣接するメンバーに分配されます。内部的には、これらの荷重は多点荷重に変換されます。
メンバー1と2は、それぞれ、全台形荷重、全三角形荷重です。メンバー3と4は、部分的に台形荷重、5と6は、部分的に三角形荷重です。
- 単位面積当たりの荷重は、特定のパネルに対して変化せず、連続で無開口であると仮定されます。
- FLOOR LOAD機能は、SET Z UPコマンドが使用される場合は利用できません(5.5節を参照)。
-
床の形状が凸辺と凹辺の組み合わせで構成されている場合は、「床荷重」コマンドをいくつかの部分に分割し、それぞれを床の特定の領域に合わせます。これにより、プログラムはパネルの検索をローカライズするように強制され、解が改善されます。
床の形状が凸辺と凹辺の組み合わせで構成されている場合は、「床荷重」コマンドをいくつかの部分に分割し、それぞれを床の特定の領域に合わせます。これにより、プログラムはパネルの検索をローカライズするように強制され、解が改善されます。
添付の例は、より正確な結果を与える床荷重を生成するために、床がより小さな領域に再分割される必要のあるケースを示しています。ノード6における辺108と辺111の間の内角は、180度を越えます。同様の状況が、ノード7にも存在します。結果として、以下のコマンド
LOAD 1 FLOOR LOAD YRANGE 11.9 12.1 FLOAD -0.35
は、許容できる結果を与えません。その代わり、以下の例に示すように、領域は再分割される必要があります。
LOAD 1 FLOOR LOAD YRANGE 11.9 12.1 FLOAD -0.35 XRA -.01 15.1 ZRA -0.1 8.1 YRANGE 11.9 12.1 FLOAD -0.35 XRA 4.9 10.1 ZRA 7.9 16.1
- 全体水平方向のオプション(GXとGZ)により、周期計算用の質量マトリックスのために、AREA LOAD、ONEWAY LOAD、およびFLOOR LOADを考慮可能となります。
- ONE WAY荷重に対しては、プログラムは、荷重生成の目的で、パネル内の短辺方向を見つけようとします。そのため、パネルが正方形の場合、パネルを取り囲むメンバーに対して荷重は生成されません。そのようなケースでは、FLOOR LOADタイプを使用する必要があります。
床グループへのFLOOR LOADの適用
XRANGE、YRANGE、およびZRANGEを使用して床荷重を作用させる場合、考慮すべき2つの制限があります。
-
パネルが、メンバー方向の軸がお互いにX型に交差し、交差点で結合しないメンバーからなる場合、パネルの同定とそのパネルにおける荷重の生成は失敗します。そのような状況の典型を、次の計画図に示します。
交差点で結合しないメンバーがあるパネルの荷重の生成(メンバー24と24)
- 荷重が設定された後、構造物の幾何形状(床荷重の作用する領域のノードのX、Y、Z座標)を変更する場合、荷重まで戻って、XRANGE、YRANGE、およびZRANGEのようなデータも修正する必要があります。言い換えると、2組のデータは、自動的にはリンクしません。
上記の制限は、FLOOR GROUPを使用することで克服されます。グループ名は、エンティティ(ノード、メンバー、プレート、ソリッドなど)の組を、それらを処理する1つの呼称にまとめることを可能とする機能です。この詳細は、本マニュアルの5.16節で参照可能です。
このコマンドの書式は、本節の初めに示したとおり次のようになります。
FLOOR LOAD
Floor-group-name FLOAD f3 { GX | GY | GZ }
指定項目:
- f3 = 床に作用する圧力
質量定義やその他の目的で、等しい荷重を3つの全体方向に生成するには、希望する各方向に方向ラベルを入力してください(初めにGY、その後にGX、GZ)。
例
START GROUP DEFINITION FLOOR _PNL5A 21 22 23 28 END GROUP DEFINITION LOAD 2 FLOOR LOAD on intermediate panel @ Y = 10 ft FLOOR LOAD _PNL5A FLOAD -0.45 GY _PNL5A FLOAD -0.45 GY GX GZ
LOAD 5 LOAD ON SLOPING ROOF FLOOR LOAD _SLOPINGROOF FLOAD -0.5 GY INCLINED
注記
- 床の活荷重に対する規則のみが組み込まれています。屋根の活荷重の規則は組み込まれていません。
- 本方法は、FLOOR LOAD、またはONEWAY LOAD特性を通して適用され、STAADははりのみに対して荷重生成を行うので、上に述べた節の鉛直メンバー(柱)に関するコードの規則は組み込まれていません。コードに説明される要求を満足するそれらのメンバーに作用する分布荷重は、低減が適用された後に低減された値を持ちます。
- 1997年版UBCの式(7-2)、2000年版IBCの式(16-3)、2003年版IBCの式(16-23)は、組み込まれていません。
- 2000年版と2003年版のIBCコードでは、"グループAのみが占める状況では、低減は許容されません"と第一の注意書きにあります。STAADには、占有タイプがグループAであることをプログラムに伝える直接的な方法はありません。そのため、活荷重の低減特性を使用する際には、構造物がこの要求を満足するかを確認することはユーザーの責任です。満足しない場合は、低減を適用すべきではありません。STAADは、この条件を自身ではチェックしません。
- 1997年版UBCコードでは、1607.5節の最後の文節で、"活荷重の低減は、9人乗り以下の個人用RV車を格納するガレージにおいて40パーセントを超えてはならない"と述べています。繰り返しますが、構造物が個人用RV車のガレージであることをSTAADに伝える術はありません。したがって、構造物がこの要求を満足するかを確認するのはユーザーの責任です。満足しない場合は、低減を適用すべきではありません。STAADは、この条件を自身ではチェックしません。
- すべての3つのコードは、低減に関して同じ規則に従うので、低減の実行に従ってコード名を設定することに関して、有用な規約はコマンド書式にはありません。